三朝町定例町議会所信表明 概要(令和3年12月)

令和3年12月9日@役場議場

2021-12-20

平成29年11月に三朝町長に就任し、町政を担ってから、1期目の4年間は、町政の課題整理と、町民への情報発信を念頭におきながら、まちづくりを進めて参りました。町民皆様をはじめ多くの方々のご支援をいただき、第11次三朝町総合計画を策定し、「笑顔と元気があふれ輝く町」を目指して、各施策を精力的に進めてきたところです。

 

私は、まちの活力が低下していくことを危惧する中で、町民ひとり一人の活動が輪となり、その積み重ねでまちが元気になっていくことを信念として町政に取り組んで参りました。

課題であった小学校の統合や新校舎整備、生活交通対策への取り組みのほか、情報発信を最優先として取り組み、この4年間で少しずつ、人の動き、町の動きが生まれてきたのではと感じております。

 

2期目の町政を運営していくにあたり、所信の一端を述べさせていただきます。

三朝町は、ご承知のとおり、湯と山の町として発展してきました。観光産業の形成と地域の発展、文化や娯楽を通じて町内外の多くの方々が交流できる環境、緑豊かな山々の恵みを、将来にわたって持続させることを責務として、笑顔で健康に暮らせる明るい町を目指して参ります。

これから、町総合計画の後期計画を策定していくにあたり、前期計画を検証し、持続性のあるまちづくりを目標に、地方創生総合戦略の具体化を推進して参ります。

 

「人材育成について」

人材の育成は、少子高齢化の中にあって、教育と共に取り組まなければならない重要なテーマだと認識をしております。少子化に起因する不安は、地域活動の停滞、集落における担い手不足から起こる存続への危機感、中でも過疎化が進む山間集落では深刻な課題となっています。

まずは、子どもたちが生まれ、育てる環境づくりと人材の育成に取り組んで参ります。将来にわたって町を担う人材を育てること、特に現在進めている新小学校整備計画のもとで、ハードとソフト両面において教育環境の充実に取り組み、「みささっ子教育ビジョン」の具体化を進めて参ります。

担い手不足の問題につきましては、集落の枠を越えた地域連携や外部人材の活用など、従来の手法を見直すなかでの地域づくりに取り組みます。その中では、既存の担い手の元気づくりや新たな取組を支援する応援団としての組織育成も必要だと考えております。

 

「健康増進について」

健康でいられることは全町民の願いです。

これから、温泉と健康増進を連携させた新たな仕組みづくりを始めて参ります。本町は、温泉研究の歴史と医療との連携に取り組んできた素地がございます。世界屈指と評価されるラドン温泉の健康効果を町民が享受できる三朝町ならではの仕組みづくりができるものと考えております。

また、今後一層進行する高齢化社会に対応する「地域包括支援システム」の整備が課題となりますが、これから町を持続させるためのキーワードとして「予防」が大切になると考えます。病気予防、認知症予防、介護予防など、「予防」を総合的に推進できる体系的な体制づくりが必要と感じており、温泉や自然環境、食文化など三朝町ならではの天与の資源を活用し、特色を活かした健康づくりを進めて参ります。

 

「産業振興について」

平成27年に認定された日本遺産を構成する三徳山と三朝温泉は、本町の観光の核であります。「六根清浄と六感治癒の地」としてのストーリーを後世に伝えるべく、国内外への情報発信の強化や、訪れる観光客へのおもてなしの充実など、官民協働で、賑わいの創出を通じた潤いのある町づくりに取り組んで参ります。

現在、日本遺産の新たな活性化計画については、国の再審査中ではありますが、日本遺産のテーマである「日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉」は未来へつながる宝であります。ヘルスツーリズムと文化遺産の魅力を更に磨き、新しい感染症が蔓延したこの2年間の苦労を教訓として、コロナからの復活と前進、新たな観光戦略、事業展開、創業支援に傾注し、落ち込んだ町内経済や人々の活動を進展すべく、町民皆様と連携し、戦略的に進めていくこととします。

観光とともに産業の柱である農林業については、労働力が減少する中で、効率的な経営形態へ移行する必要があります。

農業では農地の有効活用を一層推進し、頑張る担い手農家や集落等営農組織の経営支援を強化し、米、大豆の生産振興を進めます。また、省力化に資するスマート農業について研究し、取組可能な技術の定着に向けて進めて参ります。

森林・林業につきましては、広大な森林資源を有する山の町として、その有効活用と適正な管理に向け、関係団体と連携しながら取組を強化していきます。

鳥獣被害は、農業・林業とも年々拡大しており、農家等の所得減少から生産意欲の低下が危惧されます。引き続き被害の予防や捕獲奨励制度の充実等に努めて参ります。

 

「交流と定住について」

また、これから町を持続させるためのもう一つのキーワードは「交流と定住」だと考えます。

人口減少は着実に進んでおります。これまでも、生活環境の整備として道路網の整備や公民館施設、光ケーブルによる高速通信基盤の整備、生活交通確保のための町営バスの導入など、様々なインフラ整備を進めて参りましたが、特に山間部の集落での少子高齢化は深刻な課題と受け止めております。これらの地域はもとより、地域の人材が不足するなかで、関係人口を創出し地域振興につなげつつ、地域協議会や住民の皆さんと共に助け合うことにより、安心して暮らせる地域づくりを目指して参ります。

 

私は、町民の皆さんと二人三脚で町づくりを進めて参ります。人が動けば町に活力が生まれることを信念として、多くの皆さんから関心を持って選んでいただける三朝町を創るため、これからの4年間を勇往邁進して参ります。

 

皆様のご理解とご支援をお願い申し上げ、所信といたします。

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