三朝町定例町議会所信表明 (令和4年3月)

令和4年3月4日@役場議場

2022-04-07

本定例議会に提案いたしました諸議案の説明に当たり、新年度に向けての所信の一端を申し述べ、議員をはじめ、町民の皆様に御理解と御協力をお願いするものであります。

はじめに、昨年10月の選挙におきまして、町民の皆様の温かい御支援と御厚情により、再度、町長に就任させていただきました。三朝町政2期目の本格的なスタートの年となることから、重責をひしひしと感じている次第でございます。

さて、令和3年を振り返りますと、長期化する新型コロナウイルスの影響に翻弄された年でありました。

一時は、以前のような日常が取り戻せるのではとの期待もありましたが、オミクロン株の蔓延により再び収束の見通しが立たない状況となっております。

こうした中にあっても、笑顔と元気があふれる町づくりへの歩みを止めることはできず、コロナ対策と併行して、町民皆様と二人三脚で着実に進めて参る所存でございます。

 

以下、令和4年度に重点的に取り組む事項について、主なものを御説明申し上げます。

まず、新型コロナ関連事業であります。

コロナ禍で影響を受けている事業者等に対しまして、国、県の支援が届かない部分を中心に、切れ目なく支援策を展開していく外、感染予防対策等についても引き続き取り組んで参ります。

 

次に「日本遺産 三徳山・三朝温泉」についてでございます。

日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化・伝統を語るストーリーを認定するものであります。

また、ストーリーを語るうえで欠かせない、魅力あふれる有形無形の様々な文化財群を、地域が一体となって総合的に整備・活用し、国内だけでなく海外へも戦略的に発信しながら、地域の活性化を図ることを目的としています。

この度、令和6年までの地域活性化計画の再審査におきまして、計画の着実な実行と候補地域となっている箇所との相対評価という条件付きで認定継続となったところでございます。

日本遺産は先に申しましたが、既存の文化財の価値付けや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく、「面」として活用し、地域活性化を図ることを目的としております。

このようなことから、三徳山と三朝温泉のストーリーを戦略的に行う活性化計画の実行が求められるところであり、日本遺産活用推進協議会を主軸として、様々な活性化策を展開して参ります。

また、三徳山地域につきましては、これまで世界遺産登録を目指して推進運動を実行し、主として発掘等の文化財調査を進めて参りました。

世界遺産登録は、登録・指定文化財の価値付けを行い、保護を担保するものであります。

三徳山地域の世界遺産登録に向けては、発掘等の文化財調査に傾注し、「顕著な普遍的価値」を証明する調査を継続して参ります。

 

その外、重点的に取り組む事項として、町の全ての事業におきまして、持続可能な社会の実現を目指し、カーボン・オフセットを意識しながら事業展開していくこととしております。

 

次に、分野ごとに申し上げます。

一つ目として、健康と子育ての分野でございます。

町民が、住み慣れたまちで、健康で自分らしく暮らしていくために、最も重要なのが「予防」であると考えます。病気予防、認知症予防、介護予防など、「予防」を総合的に推進できる体制づくりを構築いたします。

また、三朝温泉と健康増進を連携させる仕組みを具現化するための取り組みを進めて参ります。

子育て環境については、引き続き切れ目のない支援の充実に努めるとともに、多様化する保育ニーズへの対応や、特色ある保育を進め、元気いっぱい笑顔で暮らせる町づくりを目指して参ります。

 

次に、教育の分野でございます。

小学校の新校舎等の整備でございますが、令和2年度に取りまとめた整備計画に基づき、令和4年度から新校舎等の建築に着工し、早期の完成を目指し、着実に整備を進めて参ります。また、ハードとソフト両面において教育環境の充実に取り組み、GIGAスクール構想で整備した機器を活用し、ICT教育を進めるなど特色ある三朝町教育の展開を図って参ります。

 

次に、産業の振興についてでございます。

観光業については、日本遺産「三徳山・三朝温泉」を核としながら、若杉山など、町内各所にある魅力ある観光資源と連携し、アフターコロナを見据えて、稼げる観光地づくりの基盤をつくって参りたいと思います。

農業につきましては、担い手支援や特産品の販路・生産能力の拡大について重点的に取り組む外、水稲にかわる高収益作物への転換を進め、持続可能な農業を組み立てていくとともに、スマート農業についての研究を積極的に取り組んで参ります。

また、林業では、森林環境譲与税を活用し、将来にわたって町内の森林資源を育て・守り・活かす活動に取り組む外、カーボン・オフセットの推進のため、Jクレジットの導入についても検討して参ります。

 

次に、防災、交通に関する分野についてでございます。

令和3年7月豪雨災害は、土砂崩れや河川の氾濫により、町道や農地等に甚大な被害をもたらしました。人命第一のもと、町内各所に避難所を開設し、素早い対応に心掛けて参りました。一刻も早い復興に向け、現在も引き続き復旧事業を実施しているところであります。7月豪雨災害の対応を検証・評価するとともに、誰もが地域で安心して暮らせる体制づくりを構築して参ります。

また、公共交通では、生活交通確保のため、昨年10月に念願だった町営バスの運行を開始しました。今後も利便性の向上に配慮しながら、持続可能で、未来につながる公共交通の構築に向けた取り組みを進めて参ります。

 

最後に、交流、情報化、地域振興に関する分野でございます。

光ケーブルによる高速通信基盤の設備がほぼ完了し、今後は、三朝町の活性化につなげるための生活産業基盤として活用していきたいと考えております。

次に、少子高齢化対策についてでございます。集落によっては担い手不足が深刻な問題となってきています。地域の人材が不足するなかで、外部人材と地元の人材を上手に組み合わせながら、町民皆様と助け合う形をつくっていきたいと考えています。これらに加え、関係人口の増加も重要な課題となります。これまで交流を進めてきた各団体との交流をさらに進展させるとともに、情報発信にも力を入れて取り組み、関係人口の拡大に努めて参りたいと思います。

 

以上、新年度に向けた所信を申し述べましたが、令和4年度の予算編成に当たりましては、特に新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ三朝町経済の早期回復と、日本遺産を活用した観光・産業振興、一層のデジタル化を推し進めるなど持続可能な三朝町の実現と、第11次三朝町総合計画の具現化を図っていくことに重点を置いた組み立てとしております。

町民と行政が一体となり、この大きな課題を克服し、笑顔と元気があふれ輝く三朝町を創造していく決意でございますので、議員各位、町民皆様の深い御理解と御協力をお願いするものでございます。

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