三朝町の自然を彩る草花4

写真・コメント/文化財保護調査員・森本満喜夫氏

2009-03-19
オオイワカガミ オオイワカガミ(イワウメ科)

 北海道から九州の山地や亜高山に分布する多年生草木。名は岩場に生え、葉が大きく、光沢を持つことによります。初夏に花茎を伸ばし、紅紫色の可憐な花を多数つけます。町内では標高500メートル以上の広葉樹林内に観察され親しまれています。


タツナミソウ タツナミソウ(シソ科)

 本州の福島県以南、四国、九州に分布し、朝鮮半島、中国、台湾、インドシナにも見られる多年生草本。初夏、紫色の唇形花をにぎやかに咲かせます。名は、花の咲き方が泡立つ波を思い起こさせるため。町内里部で、小川のあぜや緑林で観察されます。


キュウシュウコゴメグサ キュウシュウコゴメグサ(ゴマノハナクサ科)

 中国地方、九州に分布する1年生草本。名は、夏に咲く白い小型の花が小米ににて、分布の中心が九州であることによります。根は細く、他の植物の根に寄生します。町内の山間部の日当たりのよい草原や崩壊地に観察されます。以前はダイセンコゴメグサと呼んでいました。


ナツエビネ ナツエビネ(ラン科)

 中部以西の本州、四国、九州に分布し、韓国の済州島、中国南部、台湾に見られる多年生草木。名の由来は、エビネの仲間で夏に咲くことによります。花弁は淡紫色、唇弁は紅紫色で清楚な感じを与えます。町内の自生はわずかになり、危惧植物です。


ノリウツギ ノリウツギ(ユキノシタ科)

 北海道から九州に分布し、千島列島、サハリン、中国にも見られる落葉低木。名の由来は、樹液で製紙用のノリを作ったことによります。夏、枝先に白色の花を穂状に咲かせて目立ちます。町内では、海抜500メートル以上の高地の林緑に観察されます。


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