三朝町の自然を彩る草花5

写真・コメント/文化財保護調査員・森本満喜夫氏

2009-03-19
ゴゼンタチバナ ゴゼンタチバナ(ミズキ科)

 北アメリカからシベリアにかけて広く分布し、日本では北海道、本州中部地方以北に見られます。平成9年町内東方に位置する三国山(1,252メートル)で発見され、話題を呼びました。初夏4弁の白い花が開きます。名の由来は発見地が白山の御前峰であったことによります。


サワフタギ サワフタギ(ハイノキ科)

 北海道中部から九州に分布し、朝鮮半島、中国にも見られる落葉低木。名の由来は、沢の上に茂り、沢を覆い隠すため。初夏、枝先に白い小花を集めて咲きます。葉を焼いたあくは染色の媒染剤に使われる。町内の沢沿いや湿地に観察されます。


キツリフネ キツリフネ(ツリフネソウ科)

 広く北半球に分布し、日本では北海道から九州まで見られる1年生草本。名は、花が黄色で、その形が帆掛け船をつり下げたようにも見えるためです。夏、町内山間部の谷間や林緑に可憐に咲きます。なお、普通に見られるツリフネソウの花は紅紫色です。


コブシ コブシ(モクレン科)

 北海道から九州の山野に分布する落葉高木。名の由来は、果実やつぼみを拳(こぶし)に見立てたもの。早春、葉が開く前に6弁の白い花を一面につける。町内ではよく似たタムシバとともにコブシと呼び親しんできた。


ショウジョウバカマ ショウジョウバカマ(ユリ科)

 北海道から九州に分布し、サハリン、朝鮮半島にも見られる多年生草木。名は、早春に咲く紅色の花を古代中国の想像上の動物である猩々(しょうじょう)の顔に、下に広がる葉を袴(はかま)に見立てたもの。町内の山間部に広く見られ、高地のものほど花色は鮮やかである。


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