蔵王権現とは修験道の本尊であり、開祖役行者が吉野金峯山にこもって末法の世にふさわしい仏の姿を求めて祈ったところ現れたと伝わります。その姿は激しい忿怒の形相で、怒髪天を衝き、右手と右脚を高く振り上げるという荒々しいものです。
 数ある蔵王権現像の中でも代表作例とされるのが、投入堂の正本尊として祀られてきた木造蔵王権現立像です。ヒノキの寄木造ですが、正面中央で左右に木材をはぎ合わせるなど高度な技術が用いられています。また、胎内に納入されていた文書には仁安三年(一一六八)の年紀があり、平安時代末期の中央仏師の作とされています。胎内文書の研究から、慶派の仏師康慶を作者とする説も提唱されています。
 平成十四年の年輪年代法測定によって、光背から一一六五年の伐採年代が得られ、胎内文書とほぼ一致したことは、その歴史的価値が科学的に実証された貴重な成果といえます。なお、同年実施されたX線撮影によって、胎内にはさらに三枚の文書と参篭札が残されていることも明らかになっています。

おわりに ちょっとひとこと

 六月定例町議会の一般質問の模様が六月十八日午後六時より約四時間近くにわたり録画放送されましたが、これは「より開かれた町議会」を目指そうと初の試みとして行ったところであり、多くの町民の皆様が興味を持ってご覧いただいた事と思います。
 これはケーブルテレビの普及に合わせたまさに究極の情報公開の場であると同時に町民の方に議会と行政に、より関心を持っていただける良い手段でもあります。結果も概ね好評だったようであり、意を強くしたところであります。
 今後どの様な手法で住民の目線に立った情報を議会として提供出来るのか検討を重ねながら情報を共有出来る様に努めて参りたいと考えます。
(岡本 岩夫 記)
議会広報編集調査特別委員会
委員長 知久馬二三子
   副委員長 清水 成眞
   委  員 岡本 岩夫
   委  員 牧田 武文
   委  員 杉原 憲靖