この狛犬像は現在鳥取県立博物館に寄託されていますが、もともとは湯谷の姫宮神社に伝えられたものです。
 阿吽一対からなり、阿形は像高36.5センチ、吽形は37.5センチです。両像とも材木はヒノキと思われ、頭部から胴体まで一木で彫り、後頭部や尾等を接合する構造となっています。裏側には明徳3年(1392)に賢秀という人物が製作したことが墨で記されるとともに、「湯谷別所」の記載もあります。
 中世期に朝廷(太政官)の文書の保管を司った小槻氏(壬生家)に伝わる『壬生家文書』(宮内庁書陵部所蔵)という一連の資料の中に、康永3年(1344)の「伯耆美徳山領温谷別所検注目録」が残されていることから、このころの湯谷は三徳山領であり、姫宮神社も三佛寺に関連する施設であったと考えられます。
 県内では木造の狛犬の例は珍しく、しかも制作年代の明らかなものとなると、中世のものとしてはこの像の他にありません。造形的にも優れており、この地方の狛犬の製作時期を推定するための基準資料とされています。

おわりに ちょっとひとこと

 今、全国でふるさと納税導入問題が話題になっていますが、政府は本年度の骨太方針で実現に向けて検討するとしています。
 我々地方に住む者にとっては大いに歓迎したいところであります。
 これに対し、東京、大阪等4都府県で反対を申し入れている様であり、これは自治体への納税が「受益と負担」の原則に反するとの論でありますが、子ども達が生まれ育った地方での二十歳位までは教育を受け、地域の人々に育てられている訳であります。
 いわゆる人材投資と言っても過言ではありません。
 大都市集中でなく、税源上も格差是正となって欲しいものでありますが、今後が注目されるところであり、地方としても大いに応援と支援をしようではありませんか。
(岡本 岩夫 記)

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