二十世紀梨、小鹿の三農家で厳選
 秋の味覚”二十世紀梨”の季節です。最盛期の昭和五十年代後半ごろには三朝町でも約百ヘクタールで栽培されていた二十世紀梨ですが、現在では、年々減少傾向にあります。今回は、昭和五十五年に行われた”献上梨”についてお話しします。

【広報みささ 昭和五十五年九月号より抜粋】

 味に定評のある三朝のナシが天皇、皇后両陛下と皇太子殿下同妃殿下に献上されました。
 この”ナシ”の献上は、毎年鳥取県果実農業協同組合連合会が、県内で一つの農業協同組合を指定して行っているもので、三朝が今年の栄に浴したものです。
 町においては初めてのこととあって、ナシの糖度や玉太りなどの実績が良いとされる東小鹿の村岡薫さん(53)、高橋の佐々木隆雄さん(48)、井土の馬野力夫さん(56)(年齢はいずれも当時)の三農家が推薦されました。
 献上ナシは、九月十一日の早朝、三農家のナシ園の残留農薬の検査に合格した木から九百個がとられ、町中央公民館(山村開発センター)に運ばれました。そのうち、色づきや大きさなどで選別された四百個が、白いテーブルクロスが敷かれた机に、一糸乱れずに整列。午後一時三十分から松村町長、牧田町議会議長、徳田町農業協同組合長の立会のもとで、さらに選果。厳しい視線のなかで、一個三百六十グラム程度のLLサイズが九十個、白い手袋をした手で抜きとられました。このほか、宮内庁職員用など合わせて六箱が作られ、その日の特急列車・出雲四号で東京に送られました。
〈献上記念して農林文庫設置〉
 ところで、ナシの献上の栄を記念して、町と町農協では、三朝中学校図書館に”農林文庫”を設置することにしました。農村青少年が、健全で情操豊かに育つことをねらったもので、町と町農協が二十五万円ずつを出資。一般教育や専門書、百科事典など、およそ五百冊分となるものです。献上ナシ選果会場で中学生の代表に目録が手渡されました。
 今後、ほ場整備などの各種事業の完了を記念して、図書の充実を図ることにしています。

薬物の乱用のない
安全な社会を築こう

 最近、埼玉県の高校生ら二十六人が、大麻の購入資金欲しさに空き巣を繰り返していたという事件が発生。中高生を始めとする少年の薬物乱用等、薬物汚染のすそ野が拡大しています。
 また、昨年大阪では、覚せい剤の乱用者が、包丁で叔父を刺殺するという事件が発生。薬物乱用は、心身に対して有害な影響をもたらすだけでなく、殺人、強盗、放火等の凶悪な犯罪や重大な事故等を引き起こしたりすることがあります。
 薬物乱用を防止するため一人一人が薬物乱用を拒絶する意識を持ちましょう。
 また、薬物犯罪捜査は、皆さんからの通報が検挙に大いに結びついています。薬物に関する情報を得たとき、警察署や最寄りの駐在所に連絡してください。