人と人の信頼関係が
   三朝医療センターを残す
 今回は、平成十七年三月末をもって岡山大学医学部・歯学部附属病院三朝医療センターを退職される谷崎勝朗さんをご紹介します。【以下三月十九日にブランナールみささで開かれた退職記念祝賀会での取材による】
 谷崎先生は、昭和五十五年に現在の三朝医療センターの前身である三朝分院に講師として着任され、昭和六十一年には教授に昇任。翌昭和六十二年に三朝分院の院長に就任され、以来
十八年間、三朝医療センターの中心的存在として病院の運営を常にリードしてこられました。
 専門は呼吸器疾患で温泉を使った治療を行い、気管支ぜん息や慢性閉そく性肺疾患などの治療にあたる一方、平成十一年に総務庁(現総務省)から廃止勧告を受けた三朝分院の存続活動に奔走されました。当時を振り返り「温泉医学を必要としている人がいる限りつぶすべきではないという強い信念があった。病院の職員が心を一つにして支え合えたこと、そして文部科学省の役人と本音で話し合い、人と人の信頼を得ることで目標を達成することができた」と感慨深く話されました。三朝分院が存続できたのは、谷崎先生のリーダーシップとそれを支えた病院職員の素晴らしいチームワークのお陰だといえます。
 当時、三朝分院の存続に向け、岡山大学などへ要請活動を行った吉田町長は「三朝分院の存続は、岡山大学の河野学長の英断によるものだが、これは谷崎先生の素晴らしい研究成果と優れた医療技術、さらにはその人柄が文部科学省の絶大な信頼を得ていたお陰です」さらに「温泉医学への取り組みが三朝温泉の新たな魅力づくりにつながりました。感謝の気持ちでいっぱいです」と話しました。
 谷崎先生は、四月から広島県福山市の公立学校共済組合中国中央病院の院長に就任されますが、当分の間、月に二回程度は三朝医療センターを訪れ、外来で診察に当たられる予定です。
 三朝分院着任以来、二十四年間にわたる医療活動に敬意を表し、末永く元気にご活躍されることをお祈り申し上げます。
編集後記
 小鹿、三朝、高勢、竹田の各公民館で恒例の「公民館祭り」が開催され、毎週町内のどこかで賑やかな人の輪ができていました。いずれの会場でも小中学生が地域の人に交じり、活動する姿が数多くみられ、「地域の子どもは地域で育てる」活動とは、まさにこの姿であり、自然に育まれる交流の場の大切さを感じました。
 子どもたちを対象とした特別なメニューを準備することも大切かもしれませんが、子どもたちに地域のつながりを意識させるためには、地域のの活動に子どもたちを巻き込むだけでも大きな効果があるのではないでしょうか。