集落営農を始めよう

 新対策において「集落営農組織」は、認定農業者と同様に水田農業の担い手と位置付けられました。
 集落営農とは、集落を一つの経営体とみなし、関係者が共同で農業生産に取り組むことで、農業機械への過剰投資を抑制するほか個々ではできない部分を補うなど集落の活性化につながる取り組みのことです。本町でも他の中山間地域と同様に高齢化が進行し、後継者がいないことなどが原因で発生する農地の荒廃が進み、その延長線上には集落の存亡が危惧されています。
 本町の集落営農組織の草分け的な存在である農事組合法人泉の里生産組合(山口忠春組合長 11戸)は、基盤整備終了後、後継者の不足や遊休農地の発生に対する不安がきっかけとなり、平成3年に水田作業を受託する任意組合としてスタート。その後、徐々に規模拡大し、平成14年に町内初の農事組合法人となりました。現在は、水稲生産1.5f、水田作業の受託6.4fの経営で、農業収入は350万円を超え、今泉集落の水田農業の担い手として生産組合の活躍が期待されています。また、その他にも東小鹿、小河内、福田などでは、機械の共同利用組織を立ち上げ、効率的な機械作業の実施に向け活動を行っています。
 集落営農の取り組みは、それ自体そんなに難しいことではありませんが、一朝一夕に完成することはできません。農事組合法人として活動する泉の里生産組合も法人設立までに十五年の歳月を費やして今日をむかえています。集落の将来を心配した強い思いによって、さまざまな課題を乗り越えてきた結果だといえます。関係する皆さんが意見を出し、協力し合うことで作り上げていくものだと思います。 
 平成12年から始まった中山間地域直接支払交付金も当初の五年間を終え、本年度から新たな5年計画がスタートしました。交付金の大半を共同活動へ充当している高橋集落協定の代表を務める青木君夫さん(50)は「基盤整備から25年が経過。水路も老朽化して管理が大変。集落協定による共同活動が、集落営農に取り組むきっかけになれば」と話し、集落営農への関心をみせます。
 意欲と能力のある個人・法人と集落営農組織を水田農業の担い手として、集中的に支援する対策へと転換されようとしている今、集落で農地のことや営農のあり方、そして、集落の将来について、みんなで話し合いどうあるべきか考えたいものです。
 町と鳥取中央農協三朝支所では、集落の農地や営農について集落へ出向き、積極的にアドバイスを行っています。ぜひこの機会に集落の将来について話し合ってください。
 集落営農その他集落の農業に関することは、役場産業課(電話43-2514)へお尋ねください。

長続きの秘訣は楽しい農業

 成功かどうかは分かりません。でも、仲間と一緒にワイワイやる農業は実に楽しい。これからの村の農業を心配し仲間に声をかけ、無理せず”できることだけ“そう思ってやってきました。定年後は、集落一農場や施設園芸に挑戦し、旭地区全体の取り組みへと広げていきたい。しかし、最終的に目指すのは次世代へのバトンタッチ。今はその基礎固めだと思います。--次代の若者参加に夢を膨らませる山口さん。今後の活躍に注目したいと思います。