私は日本に来てからも、インターネットを通じて、フランスのニュースをよく見ています。今月の太陽光線では、フランスで最近話題となっているニュースを紹介したいと思います。
近年、世界中で喫煙率の削減を目指す運動が起きていますが、今月、フランスはもう一歩前進しました。実際に、10月3日に全ての公共建築物は禁煙になる政令が決まったのです。その問題の原因や内容とフランスの喫煙状況を見てみましょう。
■禁煙の歴史
まず、19世紀に初めてフランスへタバコが渡来して以来、タバコは特にブルジョワ(有産者)に人気があり、約100年間で消費が大幅に増えました。しかし、1980年代から喫煙が健康にとって害を及ぼすという意識が広がり、麻薬として見られるようになりました。それ以来、喫煙禁止法などの様々な策が講じられ、消費は減ってきています。
フランス最初の喫煙禁止法とは、1976年に実施されたヴェイユ法で、未成年者が通う所や病院や食料品を取り扱う所などの公共建築物で実施された禁止法です。また、タバコの箱に「悪用は危険」という記載が義務化され、タバコの直接広告が禁止になりました。
次に、1991年のエベン法は、ほとんど守られていなかった最初の法律を強化するもので、公共交通機関でも禁止が広がり、喫煙は喫煙専用の場所に限ることが定められました。そして、吸わない人をタバコの危険から守ることも大切だと思い、法律を強くしたのです。
■700円のタバコ
2005年のフランスの喫煙率は28.3・%(日本は30.3%)で、毎年タバコが原因で、6万6,000人が死亡しています。その中、受動喫煙で亡くなる人は3,000〜5,000人です。
最近行われた調査によると、公共建築物の空気のうち、健康に関する危険な状態である所は42%ということです。それは空気がタバコの煙で汚れているからです。
ついに、喫煙率削減を目指す政府は、2003年から二年の間にタバコの値段を40%高くしました。現在、1箱5ユーロ(約700円)の平均的な値段のうち4ユーロはVTA(付加価値税)や消費税などの税金で、政府が収集する分です。従って、安いタバコを求めて国境を渡り、リュクサンブールやスペインなどへタバコを買いに行く人の数が急増しました。
■最新の喫煙禁止法
先月3日に決定された政令は、禁煙ヨーロッパの方針を貫く法律です。2004年以来、アイルランドをはじめ、ノルウェー、スペイン、イタリア、イギリスなどが公共の建築物での禁煙を決めました。その影響で、この政令は数年前から検討されていて、世論調査によると、多くのフランス人も喫煙に対する厳しい法律に賛成しているようです。
今度の政令では、今まであった喫煙席は全て削除することや完全に禁煙となる病院や学校を除く施設では、密閉した喫煙室を作ることが推奨されています。そして、禁煙対策を強めること、タバコの依存を断つための治療に係る経費の一部分を政府が負担することなどが定められました。
これから、実施に関して問題が発生する可能性がありますが、フランスの禁煙はどうなるか(特に禁止の直接影響を受ける)フランス人の皆が高い関心をもっています。
最後に、JT(日本たばこ産業)がタバコの専売権を持っている日本でも喫煙率は、30.3%と高くなっています。皆さんの環境はどうですか。
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