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「いじめ」許さぬ伝統を今に受け継ぐ |
いじめ撲滅宣言 私たち三朝中学校の生徒は、 ◎どんないじめ・差別も絶対に許さない。 ◎いじめ・差別を見逃さず正面から闘う。 ◎いじめ・差別を無くすため、日々学び続ける。 ◎いじめ・差別を無くすため、信頼できる友(心友)をつくり、お互いに協力し合う。 ◎一人ひとりの個性を尊重し(違いを認め)、お互いを大切にする。 平成13年2月8日 三朝中学校生徒会 |
全国的に”いじめ“が原因となる悲しい事件が相次ぎ、学校現場では、いじめを無くすための対策が急務となっています。 |
いじめ撲滅宣言がつくられた経過は次のとおりです。 (三朝中学校資料より抜粋) 三朝中学校で先日起きたある1年生の生徒へのいじめをきっかけに、全学級がそのことについて話し合いを持ちました。「このことについて何か思うことはありませんか?」という先生の問いかけに、ある生徒は「私も、以前いやな思いをさせられたことがあります。でもその時は『いやだ。やめて』という言葉が出ませんでした。だからこそ、今同じ思いをしている仲間に何かしたいと思います」生徒が自分を振り返り発言しました。 そして、「先生、こういういじめを止めるためには、行動しかないと思います」「行動って?」「たとえば、全校集会をもって、みんなで二度と同じことが起きないように話し合いをするとか…」「もし、そうなったらみんな自分の意見が言えますか」という先生の問いかけに、生徒は大きくうなづきました。 1週間後、生徒たちからの声で全校集会が開かれました。静まり返った体育館に全校生徒が集まると、2年生の生徒会長は、これから始まる全校集会は定例で行われるものではない、生徒全員で進めていく会だということを知らせました。 「つい最近、ある仲間がスリッパにいやがらせをされました。 そのことで各学級で話し合ったことを発表してください」各学級の代表者は「された人のことを考えてほしい」「許さない」「誤ってほしい」など、次々と発表します。 ある3年生が手を上げました。「私は、1、2年生の時いじめられていました。でも、ただ我慢するしかありませんでした。いやだと言おうとしても、相手が怖くていえませんでした」そこまで話すと今まで我慢してきたことがよみがえり、涙で言葉にならなくなりました。「二度と私のような思いをさせないでください。今、自分がこうやって発表ができるのは、仲間がいるからです。すばらしい仲間たちのおかげです」 大きな拍手がおこりました。しばらくして、1年生の生徒が声を震わせながらも堂々と「私たちの学年の仲間がいやがらせをされたことはとてもショックでした。でも、その仲間をこれからしっかり応援していきたいと思います」と発言。ひときわ大きな拍手がおこりました。 卒業を控えた3年生が大きく手を挙げました。「私たちは、この伝統ある三朝中学校に誇りを持っています。今、このような問題がおき、とても残念です。今から、いじめを無くしていきましょう。このままでは…」みんな待ちました。誰ひとりとして次の言葉を聞き逃すまいと思いました。 「このまま問題を残して卒業できません。三朝中学校を誇りに思って卒業したいです」体育館は割れんばかりの拍手につつまれ、みんなの心にいじめを無くす強い決意が刻まれました。 その後、生徒会が中心になり三朝中学校に「いじめ撲滅宣言」が誕生しました。いじめ撲滅宣言は、今でも三朝中学校の生徒が学校生活をおくるうえでの大きな道しるべとなっています。 |