●ボージョレー・ヌーヴォー
 みなさん、ボージョレー・ヌーヴォーというのはご存知でしょうか。ワインをめぐるフランスの祭りの一つです。毎年11月第三木曜日、つまり今年でいうと11月15日に、フランス政府によってボージョレー地方の新酒は全国又は世界中に出荷が解禁される日です。そのワインは、一般的なフランスワインと違って、その年に収穫したブドウを利用し、短期間で醗酵させて製造したワインなのです。結局、独特な味のするボージョレーワインです。
 毎年、全国でボージョレー・ヌーヴォーをめぐる色々なイベントが行われます。これらは、パリのビストロでゆったりした試飲イベントであり、コンサートを聞きながらの野外大イベントでワインを楽しむことであり、フランス人は友達が集まって、ボージョレー・ヌーヴォーを祝います。
 去年、110カ国に配達され、世界中に5千万本が売られました。その内、日本向け輸出は、1千150万本で、堂々の一位となりました。

●フランスのワイン事情
 フランスはワイン産出国と消費国として有名ですが、現在、フランスのワイン事情はどうでしょうか。実は1990年代以来、フランスでのワイン消費は絶えず減少しつつある状況なのです。1980年にワインを消費するフランス人は約80%でありましたが、1990年に約67%に下落しました。それ以来、さらに減少を続け、2005年には62%になってしまいました。
 理由はいくつかあります。まず、1990年代までは、毎日消費する人の割合が一番多かったですが、1990年以降、何かの機会をとらえて消費する人の割合が増えてきて、毎日消費する人の割合が減ってきたことが一つの理由として考えられます。そして、食事の時にワインよりもミネラルウォーターを飲むフランス人が多くなってきました。
 最後に、ワインは、複雑な商品であり、伝統的で高級なイメージを持っていますので、若い世代が混乱して、飲みやすいビールの方が消費されてしまいます。ワインには原産地呼称統制やブドウの品種、産地、メーカなどの複雑な用語があり、種類が多くて選びにくい商品なのです。逆に、ビールは、種類が少なく、飲みやすいさわやかな飲み物ですので、若者の好みにも合います。
 もちろん、それは、教育にもよります。ワインを評価する家族であれば、子供たちもワイン好きの人になれるでしょう。私は、こういった両親の影響を受けて、ワインを好きになりましたので、友達と食事すれば、ビールよりもワインを飲むことにしています。
 また、フランスワインが売れなくなっているため、ブドウ栽培からの離農や転作をする農家が増えているそうです。ワイン産出が伝統であるフランスはもちろんイタリアやスペインでもこういう状況になっていて、外国からの競争によって、安い輸入ワインが入ってきて、自国のワインを押しのけて、チリやカリフォルニアのワインが売れています。

●日本では大人気
 日本では、ボージョレーをはじめフランスワインが大人気で、全国販売されているワインの中でおよそ半分はフランス産なのです。輸入ワインとすれば、三分の二になります。
 その美味しいフランスワインは三朝にもやってきました。当町で酒類などを販売する(株)新藤は、フランスのボルドー、そして姉妹都市ラマルー・レ・バン地方を訪ね、姉妹都市に近いワイン産地であるファジェールからワインを輸入することに決めました。私は、今回の輸入販売は、フランスとの交流を発展させながら、三朝町民にフランスのワイン産地特有の味を発見させることができ、素晴らしいことだと思っています。
 皆さんもぜひフランスワインを味わってみてください。サンテー!(乾杯!)