今月はフランスから見た日本文化について書きたいと思います。最近、ヨーロッパ全体、もちろんフランスもですが、日本ブームが巻き起こっています。日本文化が流行し、ヨーロッパのあちこちで「日本文化」を見かけますが、それらは具体的には、どのようなものなのでしょうか。
一言で言うと、フランス人は「日本」のことを「最新技術と伝統文化が混在する社会」と見ています。
伝統を残す日本
外国から見ると、日本は自分たちと正反対の社会で、魅惑的な伝統のある国なのです。昔から、世界中では、日本の美が高く評価されています。禅や日本風庭園、浮世絵などは日本を代表する美術で、フランスでも愛好者が多く、例をあげれば、何十年も前から私の母は日本風庭園が大好きで、盆栽に関心を持っています。
また、昔から伝わってきた武士道も、日本武術を通して存在していて、世界中に広がりました。フランスでは、柔道はサッカーに次いで人気のあるスポーツですし、空手や剣道、合気道、また、最近では弓道なども人気が高まり、道場に愛好者がたくさん集まっています。むこうで合気道をやっていた私が三朝に来て、「合気道って何」と三朝の子供たちに聞かれたことに大変驚きました。合気道は、日本よりもフランスで人気があるみたいですね。
未来に向かって、科学技術の日本
その上、未来に向かっている日本は「ロボットの国」のイメージがあります。ASIMO(アシモ)やAIBO(アイボ)など日本のロボットは、日本の進んでいる技術や電子工学によって作られたものです。
世界中の多くの国が日本ブランドを輸入し、高い評価を与えています。例えば、日本の携帯電話はどこの国より高性能と言われ、インターネットを通して日本の機種を購入するフランス人もいます。また、カラオケボックスやカプセルホテル、さまざまな物を売る自動販売機もあります。「日本」という国は、フランス人にとって、本当に珍しくて面白い国なのです。
対照と過度が多い日本
「伝統と最新技術」をはじめ、日本は、対照的または過度の国です。実際に日本で生活して次のことに気づきました。
▼「ビールやタバコの自動販売機」は自動ですので、誰にでも買えるものと考えると、どうやって未成年に対する法律を守るの……と思いました。そこが、日本社会とフランス社会の違いです。日本では可能ですが、フランスでは絶対にありえません。▼「冷たい水で洗濯?」フランスでは、昔からお湯で洗濯して、水ならキレイにならないという意識があるからです。それはまだまだ慣れないなぁ……特に寒い冬の今は。▼「家の中が寒い」大変進んでいる国なのに、なぜフランスで当たり前の断熱やセントラルヒーティングがないのって、気温が10度以下のわが家に戻る時によく思います。やっぱり、南フランス出身だから、寒さは苦手なのかな。▼「ATMはお休み?」完全に自動的な機械なのに、営業時間があって、いつでも使えません。ATMって休暇を取るのか?フランスでは、全てのATMは24時間営業で、すべての銀行でいつでもお金を引き出すことができます。
こんなことを考えてみると、やっぱり、日本は面白い国だと思います。フランスと日本の文化が異なれば、日常生活における意識も大きく違っているのです。 |
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