今回は、3月11日に文部科学大臣から国の重要無形民俗文化財に指定された「三朝のジンショ」の、保存・伝承に取り組む「三朝区ジンショ保存会」のみなさんをご紹介します。
この保存会は、三朝温泉花湯まつりの伝統行事である大綱引き「陣所」を後世まで伝えようと平成15年に結成され、以後、地元三朝地区住民が主体となった活動が続けられています。
今回の指定を受け、設立当時の会長で、現在は顧問として活動を続ける藤井文典さんは「区民をはじめ、フジカズラの採取や綱からみの応援など、多くの方の協力が実を結んだものです。国の文化財となった嬉しさもありますが、改めて陣所に込められた歴史の重みを感じています」と、話していました。
また、保存会で同じく顧問を務める山本収さんは「陣所の伝承には後継者の育成がかかせない」と話し「ひとつ一つ太さや長さが異なるフジカズラを大綱に仕上げる技術は、経験を積み重ね体で覚えるしかありません。また、指導する機会は年に一度しかなく、身に付けるには時間もかかるため大切な役割だと感じています」との言葉からは、これまで培ってきたノウハウを熱心に伝えようとする意気込みが伝わります。
そして、現在の会長を務める藤井博美さんは今回の指定が「まちおこしに向けた大きなきっかけになる」と話し「花湯まつりにより多くの方に足を運んでもらうことはもちろん、地域や町民の連帯感を高める場としての工夫が必要だと感じています。そして、陣所をまちの宝としてみんなで守り伝えていこうという気運を盛り上げたい」と、陣所の持つ可能性に大きな期待を寄せていました。
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