「昔はマグロ漁船で漁をしていました」―。意外な過去を打ち明けるのは、今年度東小学校の校長に就任された中前雄一郎さん(54)。今回はそんなユニークな職歴を持つ中前校長にお話を伺いました。
 湯梨浜町出身の中前校長は、自然、特に魚が好きで、大学時代から、二年間の漁師生活を経て教職員に転職。約30年の教師生活を送るかたわら、「東郷湖・天神川サケの飼育放流プロジェクト」を手掛けたほか、子どもたちが自然に親しむようにと地域限定の魚類図鑑を発行するなど、魚への情熱も尽きません。
 「仕事なのか趣味なのか分かりませんね」と笑って話す中前校長。就任間もない東小学校の印象を尋ねると、「素直な子どもたち、豊かな自然環境、協力的な地域、この三つが素晴らしいです」との答えが返ってきました。
 現在は三朝町周辺も含めた魚類図鑑を作成しようと奮闘中とのこと。休日には自ら天神川などに足を運んで調査する一方、児童たちにも協力を呼び掛けながら、自然と触れ合うことの喜びや大切さやを教えています。
 「三朝町という恵まれた自然の中で育つことがいかに幸せか、児童たちにも地域の誇りとしてそのことに気づき、後世まで残していくような大人になってもらいたい」。その言葉には熱い思いが感じられました。