医療環境と街並みいかす
三朝ならではの「現代湯治」を提案
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「健康と温泉フォーラム」では、三朝温泉の展望について、三朝温泉旅館協同組合理事の御舩秀さん(56)が報告。温泉と医療環境、そして温泉情緒を活用しながら滞在型の温泉保養地づくりに向ける、三朝温泉ならではの「現代湯治」プランを提案しました。 |
恵まれた温泉地 |
「源泉が約80か所あり、各源泉では40度から70度までの温泉がこんこんと湧き出る三朝温泉。現在、27軒の旅館が営業し、すべての旅館では源泉かけ流しの風呂を有するほか、蒸気風呂やオンドル、足湯など、様々な温泉を楽しむことができる。また、全国的にも珍しいとされる飲泉も可能」と、三朝を紹介する御舩さん。 「大正5年に世界一のラジウム温泉と発表されて以来、宿泊客が急増し、平成8年の55万人をピークに、現在では経済状況や旅行形態の変化などを背景に、35万人にまで減少」と歴史を振り返り、「近年は、お客様一人ひとりの新しい価値観に応えていくことができる柔軟な温泉地づくりが求められている」と現状を分析しました。
一方で、「三朝温泉には温泉を活用して、熱気浴や運動療法などを行う岡山大学病院三朝医療センターや三朝温泉病院があり、そこでは喘息等の呼吸器疾患、骨関節疾患、糖尿病等の代謝系疾患等を治療するため、温泉を利用した治療やリハビリが行われており、全国からの患者さんが絶えない。ラドンによる温泉療法が行われているのは、バドガシュタイン(オーストリア)と三朝温泉しかない」と、恵まれた環境にあることを報告。
加えて「三朝医療センター内には今春、ラドンの健康効果を解明するための研究施設が完成した」ことを告げ、健康と温泉をテーマに、魅力ある新しい温泉地の創造に向け、研究成果に大きな期待が寄せられていることを報告しました。
さらに、三朝温泉には、清流や深い山々など、豊かな自然があることを強調。「温泉街を流れる三徳川では、”残したい日本の音風景百選“にも指定されたカジカガエルの鳴き声が聞こえるほか、あちこちでホタルが飛び交うなど、癒し空間として最高の環境が整っている」と、三朝温泉が滞在型の街づくりに向けるための素材に恵まれていることを告げました。
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