昨年3月末に完成した「三朝ラドン効果研究施設」では、日本原子力研究開発機構と岡山大学による研究協力のもと、人形峠周辺の天然土壌を使用し、三朝温泉の浴室と同程度の濃度に設定したラドンガスを用いながら、小動物への吸入試験が行われています。
試験後の検体は岡山大学大学院へ送られ分析、検証が実施されます。そして気管支喘息や間接リウマチ、高血圧、糖尿病などに対するラドン温泉の適応症の検証がされ、新しい適応症の研究も行われています。
同研究施設ができて1年4カ月。次第に出始めてきた研究成果について、このほど中間報告会が開かれました。
生活習慣病抑制の可能性
約100人が参加した報告会では、まず特別講演と題して電力中央研究所の石田健二研究顧問が、定量放射線の有益な効果について説明を行いました。
続いて、同大学病院三朝医療センターの光延文裕センター長が、同センターで行われている熱気浴などの温泉療法の解説や、ラドン温泉の効能について講演。
そして、同開発機構人形峠環境技術センターの石森有副主任研究員が、ラドン研究効果の意義や研究施設の概要などを説明しました。
研究効果については、同大学大学院の山岡聖典教授が報告。山岡教授は「これまで研究を行ってきて、ラドンを吸入することにより抗酸化機能が高まり、生活習慣病や活性酸素を抑制する可能性が強く示された」と述べ、「今後は実際の三朝温泉への入湯、飲泉に疑似させる実験を行うことと、新たな適応症を模索する必要がある」とこれからの課題を話しました。
今後の研究が期待されます。
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