このほど一般公開され、県外者からも利用されている「ラドン熱気浴施設」。三朝温泉街にあるこの施設は、岡山大学病院三朝医療センターが所有し、患者への治療に利用されている施設です。ここで体験できる“ラドン熱気浴”は、さまざまな健康効果が期待できます。

「ホルミシス効果」に期待
  岡山大学病院三朝医療センターで神経痛・リウマチ・ぜんそく患者などへの治療に利用されているラドン熱気浴施設では現在、この施設を一般の皆さんに公開しています。
  ラドン熱気浴とは、温泉の熱と蒸気で熱した室内に約30分入り、汗をかいて代謝を促進する温熱療法のことをいいます。温泉に含まれるラジウムが気化してできる微量なラドン放射線を吸うことで、体内の細胞が刺激を受け、血液循環の改善や体の痛みの軽減、蒸気による気道の正常化などの効果が期待できます。これは、「ホルミシス効果」と呼ばれています。
  今回、この施設の一般利用を管理運営しているNPOみささ温泉では、施設利用からたまわりの湯への入浴までをセットにして利用者に提供しています。

日本で唯一の施設
  この施設の歴史は古く、大正7年に三朝ラジウム温泉療養所として造られました。その後、温泉医学の研究と診療のために開設された岡山医科大学三朝温泉療養所(現在の岡山大学病院三朝医療センター)が所有し、現在に至っています。
  実は、ラドンによる温泉療法が行われているのは、オーストリアのバドガシュタインという温泉地と三朝しかありません。
  三朝温泉は、国内唯一のラドン濃度の高い温泉(泉温25度以上を温泉と呼び、三朝温泉は60度以上)であり、ラドン熱気浴施設もまた、我が国唯一のものなのです。
  一般の皆さんに公開されてから約2カ月。今回は、このラドン熱気浴施設を実際に体験されたご夫婦に、その感想などを伺いました。